スポット測光でシャドウを読み、ゾーンIIIに置く

深いシャドウからハイライトまでのトーンスケール。シャドウ・ディテールが現れるゾーンIIIのステップにマークが付いている

Simon Lehmann Editor

最も重要な暗部をスポット測光し、ゾーンIIIに2段(ストップ)下げて配置することで、ネガにシャドウ・ディテールを確保する方法。

ネガフィルムがシャドウのディテールを記録できるのは、乳剤にbase+fogを上回る十分な光が当たった部分だけだ。シャドウの露出が足りなければ、そのディテールは永久に失われる――ネガが濃度を持っていない以上、どれほどプリントを工夫しても取り戻せない。カーブのトー部分には何も与えるものがないのだ。ゾーンシステムはこの問題に対して、Ansel AdamsとFred Archerが1939〜40年頃にロサンゼルスのアート・センター・スクールで教えながら確立したルールで答える。「シャドウに合わせて露出し、ハイライトに合わせて現像する」。その実践的な手段が、最も重要な暗部を測光してゾーンIIIに置くことだ。

なぜ露出計はすべてをゾーンVに読むのか

反射光式露出計は輝度を測定するが、それが明るい光の中の暗い面なのか、薄暗い光の中の明るい面なのかを判断する手段を持たない。計測できるのは「この輝度を中間調として再現するには、どんな露出が必要か」という一点だけだ。その中間調がゾーンVである。黒い石炭から白い雪まで、露出計が返すすべての読み値は「測光した部分を中間グレーに再現せよ」という指示にほかならない。

これはキャリブレーションによって決まる。ISO 2720:1974は反射光定数Kを推奨範囲10.6〜13.4(輝度単位:cd/m²)と定義している。実際には二つの値が主流だ。K=12.5(Canon、Nikon、Sekonic)とK=14(Pentax、Kenko)で、差はおよそ1/6 EVある。このわずかなずれは中間調の位置を微妙に動かすが、それは小さく一定なので、どのキャリブレーションの露出計を使っても「置き」の操作は成立する――平均露出を信頼するのではなく、一点を読んで意図的に動かすからだ。

ディテールが宿る場所:カーブのトー部分

シャドウに容赦がないのは、比喩的な話ではなくセンシトメトリーの問題だ。ネガの特性曲線――濃度と対数露光量のグラフ――を描くと、未露光のまま現像したフレームでも、すでにbase+fogとして約0.1の濃度がある。ゾーンIはそのfb+fより0.1高い濃度として定義されている。かすかなトーンがあるだけで、テクスチャーはない。カーブの直線部では、1段(ストップ)の露出を増すごとに濃度が約0.30増す(log₁₀ 2に相当)。1ゾーンは1段(ストップ)であり、露光量の2倍に等しい。

しかし低いゾーンは直線部に乗らない。圧縮されたトー部分に落ちるため、1段(ストップ)ごとの濃度増加は0.30をはるかに下回り、各トーンが密集する。ゾーンIとゾーンIIはこのトー内に収まり、階調の分離がほとんどない。ゾーンIIIが最初の信頼できる脱出点だ――その標準的なネガ濃度目標はfb+fの上に約0.36〜0.45程度――だからこそゾーンI ではなくゾーンIIIが、シャドウ・ディテールの実用的な基準点になる。最も重要な暗部をここに置くのは、テクスチャーを記録できる最も低いカーブ上の点だからだ。

ボックススピードではなくEI(露出指数)

ここで、ほとんどのデータシートが明記していない数字が問題になる。ISOの感度点は測光点より約1.0 log-H――おおよそ3 1/3段(ストップ)――低い位置に固定されているが、ゾーンの配置はそれ以上にシャドウへの露出を要求する。ボックススピードでは、ゾーンIの露出がfb+fより0.1を超えることすらできない場合が多く、シャドウはカーブの底から脱落してしまう。解決策はフィルムをより低い感度で評価することだ。ゾーンシステムの実践者は習慣的にボックススピードの約半分で測光する。たとえばISO 400のKodak Tri-X(400TX)をEI 200で評価する。EIを半分にすることは「シャドウに合わせて露出する」という考えを具体化した、唯一の調整だ――シャドウ配置が前提とする余分な露出をネガに与える。自分のEIはフィルムテストから求める。測光値より4段(ストップ)下げたゾーンIの露出でコマを撮り、現像して、fb+fの0.1上に落ちる評価感度を見つければいい。

配置の実例

Pentax Spotmeter Vを手に取ろう――Adamsが使ったような1度の計測角を持ち、EV直読式で、ゾーンマークのシールを貼れるダイヤル付きの露出計だ。Fred PickerのZone VIサービスが白黒写真用にPentaxのデジタル・スポットメーターを改造したことで有名だが、その魅力は同じだ。小さな一点をEVで読み取り、望む位置へ動かす。

風雨にさらされた木材の陰面――テクスチャーが必要な最も暗い部分――に向ける。EV 9と読んだとしよう。そのままでは、露出計はその木材をゾーンV――くすんだ中間グレー――として再現するように露出を設定する。それをゾーンIIIに、つまり2ゾーン(2段〔ストップ〕)下に置きたいので、光を2段(ストップ)減らし、EV 11であるかのように露出する。露出計のEV 9がある特定のシャッタースピードでf/16を示していたとすれば、EV 11はf/22に絞り込み、さらにシャッタースピードを一段(ストップ)縮めることを意味する。木材はfb+fの上に約0.36〜0.45の濃度を持つゾーンIIIに落ち、テクスチャーを記録する。

あとはすべてそこから決まる。EV 10に読めた開放日陰の顔――木材より1段(ストップ)明るい――はゾーンIVに1ゾーン上がる。EV 13に読めた日なたの白壁は木材より4ゾーン上のゾーンVII、明るいテクスチャーのある高輝度値に落ち着く。1トーンを置けば、シーン全体がそれを中心に配置された。

ハイライトに合わせて現像する

配置でシャドウを固め、現像時間でハイライトを固める。トー部分はほとんど濃度を積まないため、現像を増やしてもアンカーされたゾーンIIIはほぼ動かない――しかし直線部の上位ゾーンには強く作用する。したがって、ゾーンIIIを確保するために露出し、ハイライトを望む位置に落とすための現像時間を選ぶ。

この操作は具体的だ。Kodak Tri-X 400をD-76(原液)で20°C/68°Fで処理する場合、Kodak自身のデータシート(F-4017およびJ-78)によると約6¾〜8分だ。EI 200でのゾーンシステム作業では、Normal(N)として68°Fで約8.5分が一般的だ。コントラストの強いシーン――ゾーンVIIIからVIIへ引き戻したいハイライト――ではN-1として約6分に短縮する。逆に平坦でのっぺりしたシーンを伸ばすにはN+1として約12分にする。これによってハイライトがスケールを上がる一方、ゾーンIIIのシャドウはほぼそのまま留まる。シャドウに合わせて露出し、ハイライトに合わせて現像する――これが実践だ。

手順はAnsel Adams著『The Negative』(New York Graphic Society、1981年)に拠る。ディテールが必要な最も暗い部分を視覚化し、ゾーンIIIに置くこと。

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